この章には、次の内容が含まれます。
概念、要件および提案は、本質的に関連しています。
提案には、概念のすべてのビジネス情報が含まれます。概念を作成すると同名の提案が作成され、逆も同様です。提案には、「コンセプトの編集」画面からアクセスできます。
提案を削除すると、対応する概念も削除されます。概念が「発行済」または「承認済」の状態の場合は、概念と提案のペアを削除できません。提案および概念の両方が「ドラフト」の状態の場合のみ削除が可能です。
概念は、製品の技術的製品側面に対応します。要件が割り当てられている概念は削除できません。まず関連付けを解除する必要があります。
要件とは設計仕様で、Oracle Innovation Managementの概念設計の入力や、PLMの詳細製品設計の入力として機能します。また、要件は、概念設計の完成度を測定するためにも役立ちます。
概念的製品設計は、概念の作成から開始します。
概念は、2つの特性によって定義されます。
概念タイプ
概念ステータス
概念タイプは、事前定義済属性に基づいており、概念のグループ化および検索条件を定義します。
概念タイプおよびその属性の定義の詳細は、システム管理者に問い合せてください。
注意
概念の作成後は、概念タイプを変更できません。
概念は、ワークフローの事前定義済状態を進行していきます。概念ワークフロー・ステータスは、各ステージで概念に許容するアクションを定義します。
ワークフロー・ステータス | ワークフロー・ステージ |
---|---|
ドラフト |
設計 概念の作成時のデフォルトのステータスです。概念の所有者は、必要に応じて概念構造を変更できます。 |
発行済 |
レビュー 概念設計が完了したら、概念をレビューのために送信します。概念をそれ以上変更できません。 |
承認済 |
承認済 概念が承認されると、生産用にPLMシステムに移動できます。承認済概念のデータは、Oracle Innovation Managementから品目構造として引き続き使用できます。 |
拒否済 注意 これは概念ステータスではありません。ワークフロー・トランジションです。 |
設計 レビュー・ステージで拒否された概念は、ドラフト・ステータスに戻り、変更可能になります。 |
概念設計は、通常、次のように移行します。
アイデアまたは正式な要件から
既存の概念または概念テンプレートから(「名前を付けて保存」を使用)
将来のプロトタイプや製品のために、詳細な設計要件に貢献する独立した概念として
概念の独占的所有権を持ち、特定のアイデアや要件を満たす概念構造を定義するには、概念を何もないところから作成します。
元の概念とその提案のコピーを作成するには、「名前を付けて保存」を使用します。次の利点があります。
特定の概念バージョンの再使用
元と異なる概念タイプの選択
構造、添付および設計、要件、関係、およびチームを含めた、元の概念のコンテンツ詳細の保持または削除
コスト、収益、生産資源、添付、関係、およびプロジェクトを含めた、元の提案のコンテンツ詳細の保持または削除
注意
ソースとターゲットの概念タイプが一致する場合のみ、概念属性をコピーできます。
概念を削除すると、削除した概念に関するすべてのデータおよび関係が、Fusion環境から復帰できなくなります。
削除される概念データには、概念ヘッダー以外に次のものが含まれます。
概念構造
製品提案
概念およびコンポーネント・レベルの添付
設計、双方向関係、最上位要件およびサブ要件、およびアイテムへのリンク
ソリューション代替
概念チーム
すべての概念バージョン
ロールは、機能およびデータへのアクセスを提供します。このトピックでは、様々なユーザー・ロールと、システム・リソースへのアクセスを制御する、Product Concept Designにおける関連する職務ロールを説明します。
概念設計に関する主要なロールは、製品設計マネージャおよび製品設計技術者です。
ジョブ・ロール | 職務ロール | 機能的権限 | データ権限 |
---|---|---|---|
製品設計マネージャ |
概念マネージャの職務 |
製品概念の作成 製品概念の管理 |
製品概念データのレビュー 製品概念データの管理 |
製品設計技術者 |
概念開発職務 |
製品コンポーネントの管理 製品要件のレビュー 製品概念のレビュー |
製品概念データのレビュー 製品要件データのレビュー |
サプライ・チェーン・アプリケーション管理者は、製品イノベーション管理者職務を割り当てられ、製品イノベーションを設定する必要があります。
ジョブ・ロールとデータ・セキュリティの詳細は、『Oracle Product Value Chain Cloud Implementing Innovation Management and Product Development Guide』を参照してください。
製品設計マネージャは、概念の開発を担当するコア・チームを定義し、チーム・メンバーの作業リストに表示される特定のタスクを割り当てられます。チームは、レビューと承認を含めた開発のすべてのステージにおける概念へのアクセスを制御しやすくします。
製品概念と製品提案は、Oracle Innovation Managementで開発するすべての製品について、技術設計と業務側面にそれぞれ対処するものとなっています。
概念および提案は、プロジェクトの開始を正当化するために個別で十分な情報を含めることができないため、併せて作成されます。